人気ブログランキング | 話題のタグを見る

少女の時は止まった (5)前回の9-1- 〜9-3-を含む

証拠となる事実の「ねつ造」というのは、前もって「真実」の「シナリオ」を知っていなければなし得ない。しかし、すべてをねつ造する事はできない。すべてをねつ造すると、「ねつ造したシナリオ」と現場の事実との隔たりが大きくなり、誰にでもそのねつ造部分が発見されるからである。したがって、「誰にでもそのねつ造部分が発見されないようにする」ために「真実のシナリオ」と「ねつ造したシナリオ」のはざまに「犯罪現場と捜査報告書のシナリオ」をつくるのである。すなわち、「犯罪現場と捜査報告書のシナリオ」には、「犯罪現場」を「正確に写し取った捜査報告書」と「隠滅とねつ造を反映した捜査報告書」がないまぜになって存在するはずである。その隠滅とねつ造を発見するために着目したのが、「死体には明確にある、致命傷となるほどの傷が見える写真が添付されている」のに「死体実況検分調書や鑑定書には記載されていない」事、「死体が発見された場所と死亡した場所の違いが明確に示されている遺物を無視している」こと。「旅行から帰って家に入って応接間で土産を広げ、アイスクリームなどそれを示す遺物がある」のに「それを無視して、強引に家に入らなかったとする事実をでっち上げている」事。それらが示すのは、正にそこに真実と虚偽の分水嶺があり、「隠滅と捏造のシナリオ」へと「逆行的構成」を行ったものと言える。
従って、「真相の再構成」は。まづ「真実と虚偽の分水嶺」を発見する事であるので、この事件では「表シャッターという場所の分水嶺で時間の分水嶺は6月29日22時30分頃」である。
そこから[逆行的構成を行った「隠滅と捏造のシナリオ」]へと「遡行」して真相を明らかにしていくわけである。このシリーズ1〜8までに述べてきたストーリーは、その一端である。(少女の時は止まった 9 - 1 - 逆行的構成と遡行)
「証拠のねつ造」と「証拠の隠滅」は切り離せない関係にある。「実態真実」は「空間に広がる質量の連続である」と私は定義している。これは、「質量不変の法則」や「エネルギー保存の法則」が通用する領域であるという前提に立っている。つまり、「証拠のねつ造」と「証拠の隠滅」は違った時間・違った空間にずれているので「空間に広がる質量の連続」上のそれぞれが「独立した、切り離せない連続関係にある」にもかかわらず、「同一時間・同一空間に牽強付会させて、無理矢理押し込めているのである」。即ち「質量不変の法則」や「エネルギー保存の法則」が通用する領域で、それを無視している「仕業」なのである。それがわかれば、今まで見えていなかったものが見えてくる。
1)少女の供述調書の「表シャッターの内と外」を反転させるとつぎのようになる。
●6月29日21時過ぎまでに、少女が旅行から帰ってくる。すぐ後にお母さんが店
を閉める。家庭教師が店の前を通ったときには表シャッターが閉まっていた。(供述
が正しければ)
九州日南の絵はがき数通、アイスクリームの空箱3〜4個。(表応接間テーブル上)
●6月29日22時30分過ぎ  お父さんが表シャッターをたたく。(今帰ったの
声)

2)何故強引に逆転させる必要があったのか。それは、少女をよろしく頼むとお父さ
んから依頼された人々が、お父さんが自殺した後「ストーリーを少女と切り離す」と
いう事が中心課題であるからである。
3)第一段階のシナリオ
 お父さんからの依頼に従って作った最初のシナリオは、[お父さんが犯人]として
作られていた。従って、ここでは死体を動かしてはいなかった。ただ死体には一度目
の焼却が施された。と考えられる。
4)第二段階のシナリオ
 お父さんの自殺を否定して、[外部犯行]に変更する。従って、自殺を示す事実を
隠滅し外部犯行を示す状況をねつ造する。そこでまず、お父さんの死体を裏木戸通路
へ移動する。(その時、その部屋には二組の布団が敷かれており、掛け布団は敷き布
団の上に、通常通り広げて敷かれていた。死体を移動した際その掛け布団の縁を通る
形になったのだろう。掛け布団の縁に点々と血痕が落ちている。)
5)第三段階のシナリオ
 第二段階のシナリオに変更する事に伴い、藤子さん・お母さん・弟の三人の死体も
第二のシナリオに合わせて移動する事になり「すべてを外部犯行に合理性を持たせる
証拠作りを行う」。
6)捜査関係者の参加
 第一段階のシナリオを実施した後、様々な問題が発生した。そこで、(I A・ M K
等)に相談して市の (T K)氏、県の( I X )氏に相談してはどうかという事になり、そ
の結果第二・三段階のシナリオになったものと思われる。(少女の時は止まった 9 - 2 - 隠滅とねつ造の構造)
「発端となる事故・事件」は、「お父さんの自殺」で終わる。
したがって、その時点の「死体の位置」は、つぎのようになっていたはずである。
[1階母屋]・表8畳間の寝室は布団が2組敷かれている。お父さんは、床の間に枕をおきそれに座ってポケット瓶のウイスキーを飲み、2連銃で「銃口を両目の間に当てて一発目が撃たれ、衝撃で頭がはじかれるその瞬間に2発目が撃発して左口角を抉った」傷を残して、自殺し崩れるように前に倒れる。その時巻き込むように蚊帳を引き落としたかまたはその前に蚊帳を引き落としてたぐり寄せていたその端に頭から倒れた。藤子さんは、ピアノの間に1組の布団が敷かれてある。その掛布団の上に仰向けになってあごをあげ加減で左額の銃創らしい穴から血が噴き出し、両眼窩に溜まりあふれて2条の筋と左額の銃創付近の1条の筋の3ヶ所から頭の位置の掛け布団に血が滴り落ちている。一発目は布団又は畳に銃の穴があるはずである。撃つつもりではなかった二発目が衝撃の反動で撃発し、額の穴を創傷したものと思われる。確実に撃つつもりであったら、一発目が左額の傷という事になり、二発目は左頬ではないかとみている。というのは、左額から血液と脳漿が吹き出して火炎で焼かれて瘡蓋状になっているものと考えたが、二発目が打ち込まれた穴から噴き出した血液などの瘡蓋状とみる事もできる。
[土蔵2階]の弟の部屋。お父さんが(あなたが使った)銃を持って階段を上がっていった。斜めに敷かれた布団の左又は右方向に、弟の背後からお母さんが被さるようなかばったかっこうの、お母さんの右あごが左鎖骨あたりにくっついている(後ろを振り向き様、やめてー!という声が聞こえてくるような)状況の丸めた背中に2発の銃弾が撃ち込まれた。弾丸が突き進む方向に銃創ができている。それをつなげると、[お母さんの]背中の傷ー左鎖骨の中から突き出したと思われる2連の穴ー右あごと右頬の2条の引き裂いた傷ー[弟の]後頭下部からー鼻柱と右目の間を突き抜けた傷(解剖を担当した医師は添付しているはずだという弟の顔正面写真が意図的に抜き取られているのか存在しない。)(そして、おとうさんは銃を持ったまま、土蔵の二階から母屋の表八畳間の寝室に戻り、床の間に枕をおき、それに座ってポケット瓶のウィスキーを一口二口あおった後、銃口を眉間に当て、足の指で引き金を引いたのである。)
これが、「証拠の隠滅とねつ造」の林道をさかのぼる作業をした結論である。(少女の時は止まった 9 - 3 - 「証拠の隠滅とねつ造」の林道をさかのぼる)
by kanakin_kimi | 2012-05-07 11:46 | 袴田事件


<< 少女の時は止まった (6)... 3・11をどうする 11 >>